キリング・ミー・ソフトリーのあらすじや感想は?結末のネタバレも!

どうも〜自称映画評論家のユタカです!
『さらば、わが愛/覇王別姫』が
第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝いた
チェン・カイコー監督の初の英語作品です。

検閲の影響を受けない自由な作品作りのために
ハリウッドに渡って制作した本作ですが、
残念ながら興業は振るわず成功とはなりませんでした。

そんな本作ですが、観るべき点が何も無い……訳ではありません。
大ヒット映画とは一味違う『キリング・ミー・ソフトリー』の
ストーリーのあらすじや魅力、感想や評価、
そしてラストの結末など、ネタバレ含めてご紹介します。

『キリング・ミー・ソフトリー』とは?

キリング・ミー・ソフトリー

2002年2月23日に公開されたチェン・カイコー監督のハリウッド進出作品で、
主演ヘザー・グラハムの美しさとジョセフ・ファインズの
怪しすぎる色気が全面に出たサスペンス&ラブロマンス映画です。
ヘザー・グラハムが燃える様な恋に落ちていく
イギリス在住のキャリアウーマン、アリスを演じます。

アリスが恋に落ちるタフでワイルド、
妖しい魅力溢れる登山家のアダムを演じるジョセフ・ファインズのセクシーさと、
ヘザー・グラハムの純真な可愛いらしさや妖艶なベッドシーンが話題となり、
そのベッドシーンの過激さは、
一部のビデオレンタル店では18歳未満貸出禁止作品に指定されるほど。

抗えない情熱的な恋愛に溺れるヘザー・グラハムの美しさと、
セクシーを通り越してサイコパスとしか思えない
ジョセフ・ファインズの演技は必見です。

興業は振るわず、また批判的な批評が多い本作ではありますが、
情熱的なラブロマンスに絡むサスペンス要素の試みは面白く、
派手な演出がなくとも演技者の真に迫る演技は観る者を画面に引きつける、
意外な良作です。

『キリング・ミー・ソフトリー』のあらすじは?

キリング・ミー・ソフトリー

アメリカからロンドンに移住してきたキャリアウーマンのアリスは、
恋人のジェイクと同棲し、それなりに幸せな日々を送っていました。
穏やかで安らぎに満ちた日常に癒やされていたアリスですが、
その日々はある日突然終わりを告げることに。

ある男と出勤途中に出会ったアリスは、
その男から向けられた強い視線に捕らわれてしまったのです。
思わず会社を飛び出し男が入った書店へ向かってしまいます。
アリスは男に誘われるまま車に乗り込み、
名前も知らない男の家で行きずりのセックスをしてしまったのです。

男は有名な登山家のアダム・タリス。
雪山でパーティーの多くが死亡する滑落事故があり、その生存者の一人でした。
滑落事故について書かれたアダムの本を読み、男の名前と素性を知ったアリスは、
自らアダムの家を訪れます。情熱的に求め合った後、アダムの本を読んだこと、
恋人と同棲していることを告げるアリス。

アダムは雪山での事故は2年前のことで、
当時の恋人、フランソワーズもその事故で亡くしたことを話します。
アリスはアダムとの関係を断ち切ろうと試みますが、
初めて知る情熱的な快楽から逃れることが出来ませんでした。

アリスはジェイクとの同棲を解消し、アダムの家に転がり込みます。
しかし、アダムの家には見知らぬ女性が。驚くアリスですが、彼女はアダムの姉、
デボラで、アダムの家だと思っていたのもデボラの家だったのです。
アダムと同じく登山家のデボラが登山で家を空けている間、
自宅をリフォームしているアダムが姉の家を使っていたのです。

誤解が解け、弟の新しい恋人を好意的に歓迎したデボラは、
アダムの本来の住所を教えてくれました。
アリスは教えられた住所に向かい、アダムと無事に再会。
同棲を解消した事を告げ、二人は恋人として結ばれます。

アリスの元に無言電話や不審な手紙が届き始めます。
ですが、アダムとの交際は順調そのもので、
アリスはますますこの情熱的な恋愛にのめり込み、
電話や手紙を無視していました。

服の趣味が変わったり、登山家のアダムに合わせてクライミングを始めたりと、
充実した日々を送るアリスに、元恋人と共通の友人であるシルヴィーは
「セックスが愛ではない」と懸念を示します。
友人の心配をよそに、暴漢に襲われたアリスをアダムが助けたことで、
二人は距離を置くどころか結婚する事を決めてしまいます。

結婚式当日、アリスの元に再び不審な手紙が届きます。
アダムに相談するも、二人は大事では無いと判断し、何かあったら自分に頼るように、
と言うアダムを信じたアリスはそのまま予定通りに結婚式を挙げる事にしました。
二人だけでアダムの家族が世話になってきた教会で結婚式を挙げ、登山家のアダムらしく、
ハネムーンはハイキングに行くなど幸せの絶頂を二人は迎えます。

ハイキングに出発する前、教会の墓地にひっそりと建つ天使像の前で、
アダムは着替えるアリスの裸身を写真に写しました。
夫婦となった二人だけの記念写真となるはずでしたが、後に意外な事実が発覚することに……。

『キリング・ミー・ソフトリー』のストーリー結末のネタバレ!

キリング・ミー・ソフトリー

ハネムーンのハイキングは山男のアダムには簡単なものでしたが、
アリスにとってはとても過酷なものでした。
自分のペースで、とアダムに置いて行かれてしまったアリスですが、
アダムの期待を裏切りたくないと必死に目的地の山小屋を目指します。
夜になり、ようやくたどり着いた山小屋は、アダムによって居心地良く整えられていました。

たどり着いたアリスに、アダムは自分を信頼してくれるか? と問いかけます。
もちろんと答えるアリスの首に、アダムは長いシルクの布を巻き付けました。
セックスの最中にアダムがアリスの首を絞めるためです。
異常なセックスですが、アダムに全てを委ねる新たな快感にアリスは溺れてしまいます。

ハネムーンを終え、アダムの登山仲間に紹介されたアリスですが、
有名登山家の夫には知り合いも友人も多く、その人々全員と初対面のアリスには居場所がありません。
疎外感を感じるアリスに義姉となったデボラが優しく声をかけ、ネックレスをプレゼントしてくれます。
アダムに愛され、義姉に愛され、登山仲間達にも受け入れられたアリスは幸せそのものでしたが、
嫌がらせの手紙は相変わらず届いていました。

元恋人のジェイクを怪しんだアリスはジェイクの携帯に電話をかけます。
しかし、その電話に出たのはジェイクの親友で自らの友人でもあるシルヴィーでした。
アリスとの破局に打ちのめされ荒むジェイクを慰め、
支えている間に長年の親友としてではなく、恋人として付き合うことになったのだと言うのです。
シルヴィーと同棲関係にまでなっているジェイクが、アリスに嫌がらせをするとは考えにくく、
差出人の心当たりは無くなってしまいます。

そんな時、アダムの取材記事を作成した記者のジョアンナから連絡が入ります。
アダムが過去にミッシェルという女性をレイプしたという告発文が届いたと言うのです。
動揺したアリスは、仕事を抜け出し、告発文を寄稿した女性の元へ向かうことにしました。
ミッシェルの元を訪れたアリスは、とっさに記者ジョアンナになりすまし、告発の真意と真相を確かめようとします。
ミッシェルが語った内容は衝撃的でしたが、客観的な証拠はありませんでした。
記事にすれば一大スキャンダルとなり、金儲けと復讐が出来ると言うミッシェルですが、
記者では無いアリスは断り、その場を去ります。

アダムを信じようとするアリスですが、過去のレイプ疑惑から、
自分が知っている夫はごく一部でしかない事に気が付きます。
強迫的な不安に駆られたアリスは、夫の全てを知ろうとアダムの周囲を嗅ぎ回ります。
鍵をかけてあるクローゼットを夫に無断で開けると、中から昔の恋人がアダムに宛てた手紙が出てきました。
アデル・ブランチャードという女性は、既婚者でありながらアダムと恋に落ち、
不倫関係を築いていました。手紙には燃える様な恋に溺れる様子や、
不倫の苦悩を理由に関係を清算する別れの言葉が生々しく綴られていたのです。

知らない夫の一面を見つけたアリスは、思い切ってアダムにミッシェルの事を尋ねます。
アダムはくだらないデマで、そんな事実はないと言い切り、アリスも信じようとしました。
しかし、再び届いた嫌がらせの手紙には、
ハネムーンの山小屋でアダムが自分の首に巻いたシルクと良く似た長い布が同封されていたのです。

アダムへの違和感と疑念はこの手紙で頂点に達します。
アリスはアデル・ブランチャートの家を調べ、本人を訪ねることに。
しかし、出迎えたのはアデルの母親で、本人は8ヶ月前から行方不明だと言うのです。
アデルが無事に帰ってくると信じている母親の話を聞き、アルバムを見せて貰うアリス。
一枚の写真に目が留まります。

その写真は見覚えのある天使像の前で裸のアデルを映したものでした。
ハネムーンの前にアダムに撮ってもらった写真と酷似したアデルの写真にアリスは凍り付きます。
しかも、アデルの母はこれからアダムが訪ねてくる予定だと、嬉しそうにアリスに告げます。
まるで自分を追跡しているかのようなタイミングに、アリスは慌ててアデルの家から自宅へ逃げ帰ります。
幸運にもアダムと鉢合わせすることなく自宅にたどり着いたアリスは、
アダムの気配の無い家にほっと緊張を緩めました。しかし暗がりの中、
アダムは気配を殺してそんなアリスをじっと見つめていたのです。

アダムはアリスが自分の周辺を嗅ぎ回っていることを知っていたのです。
ダイニングテーブルにアリスを縛り付け、自分を信じられないのかと責め立てるアダム。
アリスは夫の全てを知りたかったのだと謝罪し、縄を解いて欲しいと言います。
この告白に油断したアダムは縄を解き、アリスを解放します。
しかし、アダムの異常な情熱に恐怖したアリスはこの隙に自宅から裸足で逃亡、警察に駆け込みました。

アリスの逃亡に気が付いたアダムは持ち前の運動神経で執拗な追跡を行いますが、
隠れたアリスを探し出すことはできませんでした。
一方、警察で事の次第を訴え、アデルの行方不明は恋人を裏切り、
夫と元の生活に戻ろうとしたアデルを許せない『一途すぎる』アダムが殺害したのではと訴えるも、
何の証拠もなく、ミッシェルのレイプ疑惑についても同様で、アリスへの家庭内暴力についても、
警察が対応するのは難しいと言われてしまいます。

担当の刑事とやり取りをしていると、アダム自身が警察にやってきたと連絡が入ります。
刑事はマジックミラー越しのアダムは、裸足のアリスを心配し、靴を持ってきており、
アリスが事故や事件に巻き込まれているかもと気が気ではない様子です。
その様子は、刑事の目から見てもエキセントリックな傾向があり、衝動的な性格が読み取れるものでした。
ですが、だからと言って殺人を犯したと考えるのは飛躍している、とアリスは窘められてしまいます。

警察に助けを求めることを諦めたアリスは、義理の姉、デボラの家に駆け込みます。
雪山の事故で亡くなったフランソワーズは浮気をしていた、というデボラに、アリスはアダムの犯行を確信します。
一途な性格のアダムは恋人達が自分から去るのを許せず、裏切ったフランソワーズを殺害し、
夫の元に戻ろうとしたアデルを殺害したのでは、と。

アリスの推理に、デボラは同調します。そして、雪山で使う登山道具をアリスに見せ、
アダムなら粗悪品にすり替え、事故に見せかけることができたのでは、とアリスの予想を裏付けします。
アデルの遺体が見つかれば動かぬ証拠となり、警察が捜査してくれる。
アリスはデボラに同行を依頼し、二人は天使像のある教会へ向かいます。

一方、警察を出たアダムは戻らないアリスを探して姉、デボラの家に辿り着きます。
無人の家の中、アデルの写真と登山道具を見つけたアダムは何かを感じ取ったかの様に二人を追いかけ、
教会へと向かうのでした。教会に向かう車の中で、デボラはアリスに謝罪します。

実はアリスの元に届いていた不審な手紙や無言電話はデボラの仕業だったのです。
弟の情熱的すぎる気性を知っていたデボラは、アリスに危機が迫るのではと心配し、
アリスに警戒心を持ってもらおうとしたのです。
教会に辿り着いた二人は、写真に写っていた天使像の周辺を掘り返します。
すると、女性の遺体が出てきました。やはり、アデルは殺害されていたのです。

アリスはその遺体がネックレスをしているのに気が付きます。
そのネックレスは自分がデボラに贈られたネックレスと同じもの……そう、
真犯人は夫のアダムではなく、その姉、デボラだったのです。

真実が露見したデボラはアリスを殺害しようと襲い掛かります。
アダムの恋人達を殺害してきた動機は、弟への醜く歪んだ独占欲でした。
過去、デボラとアダムは近親相姦の関係にあり、
成長した弟が自分以外を愛する様になったことが許せなかったのです。

二人を追いかけてきたアダムが、姉に襲われているアリスを助けに入り、
姉との関係は幼いころの過ちでしかないと叫びます。
争ううちに、アダムは地中に埋められたアデルの死体を目にし、茫然としてしまいます。
その隙にデボラが襲い掛かるのを目にしたアリスは、
とっさに信号弾をデボラに打ち込んでしまいました。
崩れ落ちるデボラを思わず支えたアダムと見つめ合いながら、デボラは息絶えてしまいます。
後には荒涼とした絶望が広がるのみ。

一夜明け、到着した警察に保護されるアリスとアダムの関には、
あれほどあった情熱的な愛情がどこにもありません。
アダムがアリスに残した言葉は、「自分を信じてくれていると思っていたのに……」
信頼関係が完全に破綻したことを示していました。

二人の愛は終わってしまいましたが、
アリスはアダムとの情熱的な日々を忘れることはありませんでした。
二年後、偶然にすれ違った二人ですが、お互いを認識しながらも挨拶を交わすことすらありません。
住む世界が違い、情熱的な恋は燃え尽きるものだとアリスは自分に言い聞かせ、
アダムの背中を見送るのでした。

『キリング・ミー・ソフトリー』の感想や評価まとめ!

キリング・ミー・ソフトリー

ジョセフ・ファインズこっわ!!!!
主演のヘザー・グラハムのセクシーでキュートなアリスはもうもろ手を挙げて可愛い!!
とデレデレ観られるのですが、
同じくセクシーな魅力を前面に押し出したジョセフ・ファインズのアダムがめちゃくちゃ怖い。
セクシーかセクシーじゃないか、と問われば「めちゃくちゃセクシー」であるとしか言いようはないのですが、
もう怪しげな魅力を通り越してサイコパス的なニュアンスがどうしても消えません。

よくこの危なすぎる男に着いていったな、と思わずにはおれません。
この怪しさあってこそ、アリスはアダムを誤解してしまうのだから、
ジョセフ・ファインズの魅力と演技力には拍手するしかありません。

本作にはラブストーリーの側面とサスペンスの側面があり、
後半になるほどサスペンス色が強くなっていきます。
前半の、平凡だからこその幸せでどこか味けない日々から、
アダムに出会い世界が変わる程の情熱的な日々に溺れていくアリスの物語は、
ヘザー・グラハムの輝くような笑顔や、葛藤、大胆なベッドシーンなどで見ごたえがあり、
好意的に受け取られることも多いのですが、問題は後半のサスペンス、
そしてなによりもオチの消化不良っぷりでしょう。

全ての映画が見終わった後にスッキリ!!な終わりである必要はないのですが、
サスペンス部分の動機からして痴情のもつれ、被害者も元恋人ばかり、
主題が「情熱的な恋に溺れた相手の正体とは……?」にも関わらず、
アリス、アダム共に感情の変化が解りにくく、
デボラの衝撃的すぎる告白もドタバタの中でさらっと流されてしまい、置いてけぼり感が否めません。

前半、アリスが危険な男に惹かれていく描写が丁寧だからこそ、
サスペンスに力点が移ってからの恋愛感情の軽い扱いに戸惑います。
サスペンスとして犯人が解りやすいのはもう本格ミステリではないので良いとして、
アリスの感情面をもう少しフォローしてくれれば……。

不満点や疑問点が無いとは言えませんが、ジョセフ・ファインズの怪しすぎる色気と、
ヘザー・グラハムの笑顔を見るために前半だけでも是非観て欲しい映画です。
怒涛の展開なので、気が付けばエンディングまで観れてしまいますしね!

『キリング・ミー・ソフトリー』をユタカが評価!

ストーリー :☆☆☆
キャラクター:☆☆☆☆
音楽    :☆☆
サスペンス      :☆☆☆
総合点数  :☆☆☆

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